本記事では、外国人雇用を検討している事業主の方に向けて、国や自治体が支給する助成金の概要をわかりやすく紹介します。外国人の採用や育成にかかる費用負担を軽減できる点が、助成金の大きなメリットです。利用できる助成金の種類を網羅的に紹介するとともに、受給に必要な条件や支給額についても解説するので、ぜひ参考にしてください。
外国人の採用で利用できる助成金
外国人雇用で活用できる主な助成金として、国が用意している代表的な5つの制度を紹介します。これらの助成金を上手に利用することで、外国人労働者の受け入れや定着、人材育成にかかる企業の負担を軽減できます。人材確保等支援助成金
まず、人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース)は、外国人労働者が安心して長く働ける職場環境を整えるための制度です。通訳費用や通訳機器の導入、弁護士や社会保険労務士への相談費用などが対象となり、職場内のコミュニケーション円滑化や法的な就労環境整備に役立ちます。一定期間の離職率が10%以下であることなどが受給要件となり、賃金要件を満たすかどうかで支給額の上限が異なります。
雇用調整助成金
雇用調整助成金は、経済的な理由で事業活動を縮小せざるを得ない場合に、従業員を解雇せず雇用を維持するための制度です。休業手当や教育訓練にかかった賃金負担の一部が助成され、企業規模によって助成率が異なります。外国人労働者を含めた雇用維持に活用できる点が特徴です。
トライアル雇用助成金
トライアル雇用助成金(一般トライアルコース)は、職業経験が不足している求職者を一定期間試行的に雇用する企業を支援する制度です。ハローワークの紹介が必要で、原則3ヵ月のトライアル雇用を行うことが条件となります。求職者の適性を見極めながら無期雇用への移行を検討できる点がメリットです。
キャリアアップ助成金
キャリアアップ助成金は、非正規雇用の従業員を正社員化したり、賃金や待遇を改善したりする際に活用できます。正社員化コースや賃金規定改定コースなど複数のコースがあり、外国人労働者のキャリア形成や定着促進に効果が期待されます。人材開発支援助成金
最後に、人材開発支援助成金(人材育成支援コース)は、業務に必要な専門知識や技能を習得させるための研修や訓練に対して支給される制度です。OFF-JTによる訓練が対象となり、経費助成や賃金助成を受けられます。外国人労働者のスキルアップを図ることで、職場全体の生産性向上につなげることができます。
外国人雇用を支援する制度・機関
外国人雇用を進めるにあたっては、助成金だけでなく、国や関係機関が提供するさまざまな支援制度や支援機関を活用することも重要です。ここからは、外国人雇用を支援する代表的な制度・機関として、5つの取り組みを紹介します。国際化促進インターンシップ事業
まず、国際化促進インターンシップ事業は、企業が外国人留学生をインターンとして受け入れ、海外展開や社内の国際化を促進することを目的とした制度です。来日して企業で就業する「来日対面コース」と、自宅から参加する「オンラインコース」の2種類があり、企業の受け入れ体制に応じて選択できます。いずれのコースでも、外国人材の育成を支援するため、人材育成支援費として1日1人あたり2,000円が企業に支給される点が特徴です。
登録支援機関
次に、登録支援機関は、特定技能1号の外国人を雇用する際に、企業に代わって支援業務を行う機関です。特定技能制度では、事前ガイダンスや生活オリエンテーション、住居確保の支援、日本語学習機会の提供、定期的な面談など、多岐にわたる支援が義務付けられています。これらを登録支援機関に委託することで、企業の実務負担を大幅に軽減でき、外国人雇用に十分なリソースを割けない企業でも安心して受け入れを進められます。
外国人雇用管理アドバイザー制度
外国人雇用管理アドバイザー制度は、外国人労働者の雇用管理に関する悩みや課題について、専門的な助言を受けられる制度です。各都道府県に配置されたアドバイザーが、退職や解雇時の注意点、文化的な違いによるトラブルへの対応、労働条件の説明方法などについて支援します。専門家のアドバイスを受けることで、職場環境の改善や外国人労働者の定着率向上が期待できます。
国際研修協力機構
国際研修協力機構(JITCO)は、技能実習生や特定技能外国人材の受け入れを支援する公益財団法人です。法的手続きのサポートや研修プログラムの提供、トラブル時の相談窓口設置など、受け入れ企業にとって心強い支援を行っています。制度理解を深めながら適切な受け入れ体制を整えることで、安定した外国人雇用につながります。