人手不足が深刻化するなか、外国人労働者を採用する企業は年々増えています。しかし、国ごとの特徴や受け入れ状況を充分に理解しないまま採用を進めると、ミスマッチが発生するおそれもあります。本記事では、最新の外国人労働者の国別受け入れ状況をはじめ、日本語教育の方法、採用後のトラブルを防ぐための対策までわかりやすく解説します。
外国人労働者の受け入れ状況
厚生労働省の外国人雇用状況の届出状況(令和7年10月末時点)によると、日本で働く外国人労働者のなかでもっとも多い国籍はベトナムです。ベトナム人労働者は約60万6千人で全体の23.6%を占めており、中国の約43万人、フィリピンの約26万人を上回っています。
2019年までは中国が最多でしたが、2020年以降はベトナムがトップを維持しています。
ベトナム人労働者は依然として中心的な存在
ベトナム人は特定技能、技能実習、技術・人文知識・国際業務(技人国)といった主要な在留資格でいずれも多くを占めています。とくに技能実習では全体の約44%がベトナム人であり、日本の外国人労働市場を支える重要な存在となっています。
また、技能実習から特定技能へ移行する人も多く、これまで外国人材受け入れの中心的な役割を果たしました。
ベトナムの増加ペースには鈍化傾向も
一方で、ベトナム人労働者数は増加しているものの、前年比の増加率は約6%にとどまっています。背景には、ベトナム国内の経済成長や賃金上昇があると考えられます。以前と比べて日本での技能実習や就労による賃金面の魅力が相対的に低下しており、新たな来日者数の伸びが落ち着きつつある状況です。
インドネシア・ミャンマー・ネパールなどが急増
近年はベトナム以外の国々の存在感も高まっています。とくに増加率が高いのはミャンマー(42.5%増)、インドネシア(34.6%増)、スリランカ(28.9%増)、ネパール(25.7%増)です。これらの国では特定技能制度の活用が進んでおり、日本との協力体制の整備や現地での試験実施が在留者数増加につながっています。
外国人労働者の日本語教育の方法
外国人労働者が日本で安心して働き、職場に定着するためには、日本語能力の向上が欠かせません。日本語力が高まることで業務上のミスを減らせるだけではなく、日本人社員とのコミュニケーションも円滑になります。そのため企業には、外国人材が継続的に学習できる環境づくりが求められています。日本語教育にはさまざまな方法があり、それぞれの特徴を理解したうえで活用することが重要です。
入社前に母国で日本語を学ぶ
外国人材が来日前に母国の日本語学校や日本語教室で学習する方法です。働き始める前は学習時間を確保しやすいため、日本語の基礎をしっかり身につけられます。また、採用後の連絡や手続きもスムーズになり、企業と外国人材の双方にとって安心して入社準備を進められるメリットがあります。
日本語学校に通いながら働く
来日後に仕事と並行して日本語学校へ通う方法も一般的です。企業によっては学費を補助するケースもあり、学習を後押ししています。一方で、仕事と勉強を両立する必要があるため、とくに来日直後は大きな負担となる場合があります。学習日には勤務時間を調整するなど、企業側のサポートが重要です。
社内研修で実践的な日本語力を身につける
企業が独自に日本語研修を実施することで、業務に必要な言葉や表現を効率よく学べます。研修には教育ノウハウやコストが必要ですが、外部講師の活用により質の高い学習機会を提供できます。オンライン学習を活用する
近年はオンラインによる日本語学習も広く活用されています。eラーニング教材を利用すれば、時間や場所を問わず学習できるため、忙しい外国人材でも継続しやすいのが特徴です。また、オンライン研修はスケジュール調整がしやすく、隙間時間を有効活用できるため、学習効率の向上も期待できます。
トラブルを防ぐためには外国人人材紹介サービスの利用がおすすめ
外国人労働者を採用する際には、業務経験や資格だけではなく、日本語能力を正しく把握することも重要です。しかし、面接時には問題なくコミュニケーションが取れているように見えても、実際に働き始めると日本語力が業務に必要な水準に達していないことが判明するケースがあります。
日本語力に不足がある場合は、本人だけではなく職場全体にも影響がおよぶため、早めの対応が求められます。
入社後に日本語力不足が判明するケースがある
採用面接では基本的な受け答えができていたとしても、実際の業務では専門用語や複雑な指示、社内ルールの理解が必要です。そのため、入社後に「想定していたよりも日本語が通じない」「指示内容が正確に伝わらない」といった問題が発生するケースがあります。
とくに接客業や製造業、介護業界などでは、コミュニケーション不足が業務品質や安全面に影響する可能性もあります。
日本語レベルのギャップを防ぐなら人材紹介サービスの活用が有効
採用してから日本語レベルのギャップに悩まないためには、外国人人材紹介サービスを利用するのもおすすめです。紹介会社のなかには、日本語でのコミュニケーションが可能な人材を紹介してくれるだけではなく、来日前や入社前に日本語教育やビジネスマナー研修を実施しているところもあります。
採用前に日本語力や適性を確認できるため、企業と外国人材の双方にとってミスマッチを減らし、スムーズな職場定着につなげやすくなります。